農業に関わること

家庭菜園

みなさんも家庭菜園に挑戦してみませんか?

食と健康への関心の高まりから、近年にわかに家庭菜園が流行しています。

季節ごとの野菜を育てる楽しさはちょっとしたコツでぐんと広がります。

人気が高く育て方も楽な水菜

京野菜の一つ、水菜。かつては大株に育て、もっぱら煮物や漬物に用いられていましたが、シャキシャキした歯ざわりの良さと鮮やかな緑の葉、独得の味わいがサラダやトッピングにもよく合い、近年人気が高まっています。


 


大きな株(葉の数は数百枚以上にもなる)に育てるには、少し涼しくなった9月上旬に育苗箱に種まきします。本葉2枚のころ苗床に移植し、本葉5~6枚の苗を作り、うね間50㎝、株間35㎝に植えつけます。この旧来の育て方でとれる水菜は、煮物、漬物など和風の料理向け。寒気が増すにつれて本当の味が出てきます。


 


小さな株は逐次種まきして、生育途中で収穫します。生食または汁の実など、和洋を問わず幅広い料理で楽しむことができます。


 


長型プランターなら2列、畑ならうね間40㎝にくわ幅のまき溝を作って直まきし、本葉2~3枚のころ6~7㎝の株間になるよう間引きします。小さな間引き菜も有効に利用しましょう。一見か弱そうに見えますが、思いのほかよく成長するので、初めての方でも十分育てることができます。


 


品質の良いものを育てるには、畑なら元肥に完熟堆肥(ピートモス、ヤシがらでもよい)と油かす、化成肥料を与え、プランターなら肥料入りの野菜用土を用いることが大切です。また生育中、大株なら2回、小株なら1回、化成肥料をうね間に施し、軽く中耕します。プランターなら液肥を与えます。虫がつきやすいので、十分に注意してください。


 


板木技術士事務所●板木利隆

人気が高く育て方も楽な水菜

手軽に作れて重宝するルッコラ

「ロケットサラダ」とも呼ばれ、かむとピリッと辛く、口の中にごまに似た香りが広がります。イタリアンサラダには欠かせない野菜ですが、ピザや各種料理に添えたりと、広い用途に使えます。


 


春から秋にかけて作られますが、初秋から秋にかけてが種まきの最適期です。 畑ならベッドを作り、筋まきにします。プランターなら長型のものに2列、同じく筋まきにします。まき溝の幅は2㎝ぐらい、板きれを1㎝ほどの深さまで押して溝を作り、種間隔が7~8㎜ぐらいになるようにまきます。5~6㎜の厚さに覆土し、軽く手で押さえつけて鎮圧し、たっぷりかん水しておきます。


 


肥料は、畑なら化成肥料と油かすを、まく前に全面に耕し込んでおきます。プランターで園芸用土を用いるのでしたら、まく前に肥料を施す必要はありません。発芽後、込み合っているところは間引き、草丈7~8㎝に伸びたころ、溝の間に化成肥料をばらまき、竹べらか割りばしなどで土にかきまぜ、硬くなった土をかん水で軟らかくします。


 


生育が進むにつれて再び込み合ってくるので、逐次間引きながら利用し、最終的に株間を5~7㎝ぐらいにします。草丈が15㎝以上に伸びてきたら収穫の適期です。株ごと抜き取って収穫しますが、少しずつ日数をかけて利用したいなら外側の葉から1枚ずつ摘みとっていくのも一つの方法です。残った葉は次々と大きくなってきて、収穫し続けられます。アブラナ科好みの害虫がつきやすいので注意して、見つけ次第駆除します。


 


板木技術士事務所●板木利隆

手軽に作れて重宝するルッコラ

庭先で育てる 「原木栽培ナメコ」

自宅の庭でとれたナメコは歯ざわりも風味も格別! キノコがおいしい季節です。今回は庭先などで簡単にできるナメコの原木栽培を紹介します。菌を一度植えると、3~6年間は大丈夫。自家産ならではの歯ざわりや風味、こくを楽しみましょう。


 


原木の準備


1適しているのはブナ・トチノキ・イタヤカエデ・ハンノキ・ホオノキ・サクラ・クルミ・シデ・ヤナギ・ナラ類などです。木の成長が止まる紅葉の時期から、翌年の春の新芽が出るころまでに原木を伐採します。


2.扱いやすさを考えると、直径10㎝、長さ1mが理想です。少なくても10本ぐらいは用意しましょう。


3.原木を切ったら4、5本を井げた積みにして乾燥させます。1、2カ月を目安に干してください。


 


植えつけ


1.電動ドリルなどで、原木に直径9・5㎜、深さ3㎝ほどの穴を開けます。穴の数は、直径の長さの3倍を目安にするといいでしょう。


2.穴を開けたら、木づちなどで種駒(菌)を打ち込みます。これで、ほだ木の出来上がりです。


 


仮伏せ


1.ナメコ菌がうまく育つには、適度な温度と湿度が欠かせません。地面に枕木を並べ、その上にほだ木を積み重ねます。高さは50㎝を上限にします。


2.上から寒冷しゃをかけ、さらにビニールで覆って温度と湿度を保つようにします。中に温度計を置くと、温度管理が楽です。


3.最初の1週間は、週に2回ほどホースで散水します。ほだ木全体がぬれる程度でいいでしょう。菌が元気に活動するのは10~20℃です。10℃以下ならそのままでもいいのですが、中の温度が25℃以上になるときはビニールを外し、温度を下げてください。


4.気温が高くなると種駒の表面が白くなり、さらに時間がたつと褐変します。こうなれば菌が丈夫になり始めた証拠ですから、散水回数を減らします。なかなか白くならないようなら、乾燥しすぎです。水をかけてください。


5.菌が広がると、ほだ木の断面も白くなります。仮伏せ中は、菌の活動状態をよく見るようにしましょう。


 


本伏せ


1.木々の青葉が茂るようになったら、いよいよ本伏せです。風通しの良い木陰で水はけの良い場所を選び、地面に直接、ほだ木を並べます。直径の幅と同じ間隔で並べるといいでしょう。強い西日が当たると菌が死ぬので、心配なら寒冷しゃをかけてください。


2.梅雨と落葉期にはそれぞれ、天地返しをします。このとき、ドライバーでほだ木の外皮を少しはがしてみましょう。順調なら白くなっています。9月までは月に1度、菌の観察をします。


 


採取


1.秋になると「走り子」と呼ばれるナメコが発生しますが、本格的に取れるのは、ふた夏を過ぎた秋からです。ふた夏が過ぎて気温が18℃ぐらいになったら、ナメコの出を良くするために週に2、3回は散水しましょう。


2.傘が大きいほど、歯ごたえも味も良くなります。傘の直径が3~5㎝になってから採取してください。


3.シイタケと違って振動に弱いので、ほだ木を動かさないように株ごと静かに取ります。本格的に出始めたら、一日おきに水をかけます。


 


板木技術士事務所●板木利隆


 


この特集は日本農業新聞「&YOU」に掲載されたものです。日本農業新聞に関するお問い合わせは、JAへ。

庭先で育てる 「原木栽培ナメコ」

面白いほど実のなる 「ハヤトウリ」

浅漬けにすれば、シャキシャキの歯ごたえ! 握りこぶしほどの大きさの実が鈴なりになるハヤトウリ。種子をまくのではなく、前の年に収穫した実を植えつけるのが基本です。生育は旺盛で、管理は簡単。面白いほどたくさんの実がなるので、庭で楽しむなら1、2株もあれば十分でしょう。


 


植えつけ


1.夏場には草丈が10mにもなるため、露地で栽培するようにします。なるべく肥えた土に植えてください。


2.ハヤトウリの栽培で、一番気をつけなければならないのが霜です。霜を避けるため、植えつけるのは暖かくなる4月下旬から5月にするのがいいでしょう。


3.植え穴は縦・横30㎝、深さ30㎝程度。用意ができたらそこにひと握りの化成肥料を入れます。


4.肥料をまいた上に、掘り起こした土を戻します。そこに実の半分が土に埋まるようにして置き、半分は地上に出るようにします。お尻の割れ目のある方を、やや斜め上に寝かせて植えるのがコツです。


 


管 理


1.水は、植えつけ時にたっぷりとやるだけで十分です。あとは、数週間にわたって雨が降らなかったらやる程度でよいでしょう。


2.初期生育が早いので、植えつけと同時に支柱を立て、つるが巻きつくように棚を作ります。支柱には太めの材料を使い、高さ1・8mは確保してください。


3.親づるが本葉7、8枚になったら摘しんをします。また、子づるが出てきたら3本ほど伸ばし、葉がまた増えて7枚程度になったら、摘しんしてください。孫づるも3本くらい伸ばすようにします。


4.追肥は必要ありません。病害虫も少ないのですが、うどんこ病が発生したら、殺菌剤をまくようにします。


5.花が咲くのは9月中旬からです。開花して2~3週間すれば収穫できるようになります。果実の大きさが12㎝、重さ300gほどになったら収穫適期です。


 


貯 蔵


収穫した実は、段ボール箱などにもみ殻やおがくずを入れ、5℃以下の低温で貯蔵します。そうするとまた来年、同じように栽培できます。


 


料理法


豚肉と一緒に炒めて食べたり、みそ漬けなどにすると歯切れがよく、独特の風味が楽しめます。 


 


■ハヤトウリと豚肉の炒めもの


1.ハヤトウリの皮をむいて2つに割り、5㎜くらいの厚さにスライスします。


2.炒めた豚肉にハヤトウリを入れ、卵でとじて塩・コショウをします。


3.最後に醤油をたらせば出来上がり!


 


■みそ漬け


1.ハヤトウリを縦に2~4つに割り、種を取り除きます。


2.ハヤトウリの重さの10%ぐらいの塩で漬け、3日ほど置きます。


3.水が上がったら取り出し、陰干しします。


4.赤みそに漬け込み、石で重しをします。10~15日で食べられるようになります。


 


この特集は日本農業新聞「&YOU」に掲載されたものです。日本農業新聞に関するお問い合わせは、JAへ。

面白いほど実のなる 「ハヤトウリ」

甘みのある 「ミニダイコン」

浅漬けや煮物に最適! 甘くて小さいダイコン かわいいサイズのミニダイコンはいかがでしょう。ミニといっても、食用にする部分は通常のダイコンの半分ぐらいあります。葉っぱもおいしく食べられます。


 


種まき


1.品種によって多少の違いがありますが、基本的には夏の盛り以外は時期を選びません。ハウスやトンネルを使えば、幅広い期間、収穫が楽しめます。


2.露地栽培の場合は、雑草を抑えるためにもマルチ栽培を基本にしましょう。


3.高温・乾燥の状態で種をまくと、こぶ症や横縞(ルビ:しま)症が心配されます。それらを避けるためには雨が降るのを待つか、十分に水をまいてからマルチを張るようにします。


4.肥料の目安は10a当たり窒素3㎏、リン酸10㎏、カリ10㎏です。


 


栽培・害虫


1.1穴に2粒まき、アブラムシ対策の寒冷しゃをべたがけにします。


2.本葉が3~4枚になったら間引いてください。このときに寒冷しゃをはぎとります。


3.通常は捨ててしまう葉の部分も利用するため、害虫や風などで傷をつけないように注意しましょう。コナガやシンクイムシなどの害虫には種まきのときから気をつけ、見つけ次第、退治します。


4.防風ネットや背の高い作物を周囲に植えれば、茎葉の風ずれが少なくなります。


5.葉軸が折れやすいので、収穫・出荷の際には気をつけてください。


 


利 用


1.お勧めは浅漬けです。丸ごと浅漬けにすると、おいしく食べられます。


2.甘みがあるので、おでんの具や鍋物などにも向いています。


3.葉はみそ汁の具にしたり、ご飯に入れてもおいしく食べられます。


4.植えつけ間隔や栽培期間を変えて、葉のボリュームを増やしたり、間引いて利用するのもいいでしょう。


 


特 徴


1.栽培方法にもよりますが、重さは600~700gになります。太さは通常のダイコンと変わらず、長さは20~22㎝です。


2.葉はカブに似ていて、栄養価が高いのが特徴です。鉄分は通常のダイコンの2倍以上、カルシウムやカロテンも多く含まれています。


 


この特集は日本農業新聞「&YOU」に掲載されたものです。日本農業新聞に関するお問い合わせは、JAへ。

甘みのある 「ミニダイコン」

暑さに強く育てやすいカイラン

盛夏に入ると家庭菜園も夏枯れで、青物が途切れがちになります。こんな時に育てておくと重宝するのがカイランです。


カイラン(芥藍)はキャベツの仲間で、葉はキャベツに似ていますが、早くから茎が太く伸び、やがてとう立ちしてきます。その若い葉と、伸びてきた柔らかな花茎を利用するのです。耐暑性のある南方系の野菜で、中国南部から台湾、東南アジア方面で夏野菜として広く栽培されています。


まき時の幅は広いのですが、夏どり中心なら今の時期がよく、種まき後50~60日で収穫できます。


早めに完熟堆肥(たいひ)と油かす、化成肥料を全面に耕し込んでおいた畑に、50cm間隔にくわ幅のまき溝を作り、3~4cm四方に1粒ぐらいの割合で種をまきます。育つにつれて間引き、最終株間を10cmぐらいにします。途中で2回ほど追肥をして、肥切れさせないように軟らかく育て上げます。


128穴のトレーで本葉3~4枚の苗に育てて、80cm幅のベッドを作り、10×10cm間隔に植えつけて育てれば、そろった良品が得られます。肥料の与え方は前述の直まきと同様にします。害虫がつきやすいので、早めに発見し、防除をする必要があります。べたがけ資材をトンネル状に覆い、害虫の飛来を防ぐのがおすすめです。


収穫は草丈が15cmぐらいに伸びたころからが適期です。若葉やつぼみはいため物や揚げ物に、茎の部分はサラダなどに用います。また汁の実や漬物にしてもおいしく食べられます。


板木技術士事務所●板木利隆


この特集は日本農業新聞「&YOU」に掲載されたものです。日本農業新聞に関するお問い合わせは、JAへ。

暑さに強く育てやすいカイラン

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