農業に関わること

家庭菜園

みなさんも家庭菜園に挑戦してみませんか?

食と健康への関心の高まりから、近年にわかに家庭菜園が流行しています。

季節ごとの野菜を育てる楽しさはちょっとしたコツでぐんと広がります。

タマネギの種まきと苗作り

 家庭菜園では通常、タマネギの苗は、晩秋に店先で売り出されるものを購入し、植えつけることが多いと思われます。ご承知のようにタマネギには、黄、白、赤(主に生食用)などの種類があり、収穫期の違う極早生、早生、中生、晩生と、特徴のある品種がたくさんあります。これらを育て、楽しむには自分で種を購入し、苗から育てる必要があります。特に直売など、販売を目的に栽培する場合には、自家育苗をしないと特徴のある商品が計画的に作れず、苗代の負担も大きくなってしまいます。


 


 種まきの適期は、極早生8月下旬~9月1半旬、早生9月上旬、中生9月中旬、晩生9月4~5半旬(関東南部以西の平坦地の場合)と、品種によって違います。適期はとても重要なことなので、JAや園芸専門店、地域の栽培経験者に聞いて決めてください。


 


 そろいよく発芽させるためには、畑に早めに石灰と化成肥料をまき、よく耕した所にベッドを作り、図のようによくならしてから丁寧に、満遍なく種をまきつけます。そして、ふるいで均一に覆土、軽く鎮圧してからたっぷりかん水し、その上に細かく砕いた完熟堆肥(たいひ)をごく薄くまきます。この時期は年により残暑・乾燥が続いたり、台風や強雨の厳しい条件に見舞われたりするので、稲わらやべた掛け資材で覆っておきます。数日たち発芽がそろい、苗が伸び始めたら、これらの資材は取り除き、乾き気味ならたっぷりかん水して生育を促します。


 


 苗が5~7cmぐらいに伸びたころとその半月後に、化成肥料を若干まき、化成肥料が見えなくなるぐらいにふるいで土入れし、径4~5mmのしっかりした苗に仕上げて畑に定植します。


 


板木技術士事務所●板木利隆

タマネギの種まきと苗作り

秋冬取り玉レタスの苗作り

その種まきの適期は、8月上・中旬(関東南部以西の平坦地)です。それより早くまくと、高温や長日条件により花芽ができ、とう立ちする恐れがあり、遅過ぎると大きくて締まりの良い結球が得られなくなります。


 


暑いさなかが、ちょうどまきどきとなるわけですが、レタスの発芽適温は15~20度と比較的低温のため、この時期にはうまく発芽しないことが多いものです。できるだけ涼しい場所に置いて発芽させることが大切です。一番確実なのは、種子を6~7時間水に浸して十分吸水させ、その後ペーパータオルの上に並べ、ふたつきのポリ容器に納めて、冷蔵庫のあまり低温でない所(5~8度)に二昼夜ぐらい置き、芽が動き始めたころ育苗箱またはセルトレーに種まきすることです。


 


種まきの用土は、市販の育苗専用のものを用い、種まき後の覆土は1mm内外、やっと種子が見えなくなるぐらい、ごく薄くします。


 


覆土したらその上に稲わらを薄く覆い防暑、防乾します。わらがなければ新聞紙を2枚重ねで代用します。


 


発芽したら覆いを取り除き、木陰や直射日光を避けた涼しい場所に育苗箱やトレーを移動し、育苗します。


 


育苗箱にまいたものは本葉2枚のころ3号鉢に移植し、本葉5~6枚の苗に育てて畑に定植します。セルトレーにまいたものは本葉2枚のころ間引いて一本立ちにし、本葉4~5枚に育て上げて定植します。乾きやすい時期なので、乾き具合をよく観察し、晴天日には1日2~3回の水やりを怠らないようにしましょう。


 


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秋冬取り玉レタスの苗作り

夏野菜の生育を守るべた掛け資材

新鮮な軟弱野菜が出回りにくくなる夏こそ、家庭菜園で手作りしたいものです。しかし強光と高温、それにアブラムシ、コナガなど厄介な害虫にやられやすく、上手に育てることは大変難しいものです。。


 


これらの害から野菜を守るには、軽くて使いやすい「べた掛け資材」がおすすめです。


 


この資材は、正式には「長繊維不織布」、「割繊維不織布」と呼ばれ、プラスチックを毛髪よりも細かい繊維にして、熱で融着し、絡ませています。極薄のため1平方m当たりの重さは15~20gしかなく、透けて見える軽い資材です。


 


そのため、軟弱な作物の上に直接掛けても、何ら支障なく育ちます。網目は不規則ですが、小さいため虫を通さない優れものです。直接掛けて使うので「べた掛け」という名で呼ばれています。


 


光線透過率は75~90%(製品によって異なる)なので、強光を和らげ、覆いの下はやや温度が下がります。また、掛け通しにしておいても軟弱に育ち過ぎる心配もないという特色があります。価格が比較的安く、耐久性があるため、冬の防寒用に使えるのも魅力です。


 


今からまくものとしては、小松菜、ホウレンソウ、チンゲンサイ、水菜などがあります。


 


図のようにべた掛け、浮き掛けなどの被覆方法があるので、野菜の性状や畝の作り方などを考えて、合理的な方法を取り入れましょう。そして周辺から虫が入らないよう、すき間なくきっちりと覆い、風で飛ばされないように針金や市販の専用留め具で固定しておくことが大切です。


 


豆やトウモロコシなどの鳥害回避に、種まき後から発芽がそろうまでべた掛けするのも有効です。


 


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夏野菜の生育を守るべた掛け資材

取りたての味が格別インゲンマメ

 インゲンマメは、つる性とわい性(つるなし)がありますが、味が良いのはつる性種です。種まきすれば1カ月半くらいで収穫でき、その後1カ月以上も収穫できます。


 


 豆類の連作は避け、元肥に完熟堆肥(たいひ)と油かすを少量すき込み、株間を30cm取り、1カ所3粒まき、本葉が開いたころ2本立てに間引きます。


 


 つるが伸び始めたら、早めに図のように低い位置で交差させ、先端が低くなるように支柱を立てます。こうすると先の方まで手が届きやすく、収穫盛りになってからの収穫がしやすいのです。


 


 収穫盛りに入って葉色が淡くなり始めたら、若干の化成肥料を追肥します。土壌の乾きには弱いので、乾く畑では株元に敷きわらをし、アブラムシの発生が見られたら早めに防除することが大切です。


 


 さやに子実の膨らみが見られてきたら収穫適期です。取り遅れないよう留意して、店頭に並ぶものより新鮮な、取れたての味を楽しみましょう。  つるなし種は種まき後、50~55日で収穫できる短期野菜です。「三度豆」ともいわれるのは、種まきシーズンが3回もあるという意味です。収穫期間は15~18日と短いので、今から7月中旬ごろまで、2~3回種まきし、リレー栽培で収穫期間を延ばすのがよいでしょう。


 


 株間は20cmと密植にし、つる性と同じ要領で育てますが、支柱は不要なので、栽培は至って簡単です。


 


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取りたての味が格別インゲンマメ

低い支柱で省力、キュウリの誘引

 節なりキュウリ(主枝の節ごとに着果する特性を持つ品種)は、通常1・5mぐらいの高さの支柱を交差させて主枝1本を伸ばし、子づる、孫づるは丹念に2節目で摘心し続ける誘引・仕立法を取るのが通常ですが、この方法では風当たりの強い所や乾きやすい畑では案外寿命が短く、良品多収にはならない場合も多く見られます。


 


 このような畑では、1・2mぐらいの短い支柱を用い、90cmぐらいの低い交差位置までは、通常の高い支柱と同様に子づるは2節で摘心し、交差点まで届いたらそれ以降は図のようにつる先を反対側に垂らすよう伸ばし、込み合ってきたらその都度、摘心・摘葉する程度に止めて、茎葉を茂らせる誘引・整枝法がおすすめです。


 


 草丈が低いので風当たりによる葉ずれや葉折れが少なくなり、葉層が厚くなるので地面が乾きにくくなり、高めの空気湿度を好むキュウリは後期まで勢いを保ち、良質の果実をならせ続けます。1日置きぐらいに、誘引、摘心する手間が、つる先が下方に垂れないよう、横に2~3段に張った誘引ひもに引っ掛ける程度で済むので、大変省力化されます。


 


 ただ欠点は、収穫最盛期に入るころには葉が重なり合うので、果実が葉陰になり見つけにくくなってしまい、探すのに時間がかかる点です。そのため大規模な営利栽培には向きませんので、あくまで家庭菜園向きの方法です。


 


 また、葉が込み合うので、風通しが悪くなり、アブラムシやベト病などが多発すると防ぎにくい欠点もあります。出やすいところでは早めに防除しておくことが大切です。


 


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低い支柱で省力、キュウリの誘引

ジャガイモの植えつけは適期に、良い種芋で

梅の花が咲き終わり、土のぬくもりが感じ始められるころ(関東南部以西の平坦地域なら3月上旬)になると、ジャガイモの植えどきです。あまり早く植えると地温不足のため芽が伸びてきません。また、植え遅れると成育の後半期が高温になってしまうので、肥大の適温日数が足りず、病害も多発してくるために収量が十分に上がりません。


 


種芋を選ぶ上で重要なのは、ウイルス病やそのほかの病害虫に侵されていない、検査に合格した種芋用として市販されているものを選ぶことです。休眠から目覚め、ほどよく芽が伸び始めたものを用いましょう。図のように大きいものは芽が均等につくよう縦に切り割り、1片を25~30gにして、切り口を下方に向けるように植えつけます。切って2~3日置き、断面を乾かしてから植えるのがいいともいわれますが、良い種芋ならすぐに植えても差し支えないでしょう。


 


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ジャガイモの植えつけは適期に、良い種芋で

余った種子の上手な貯蔵法

小さな自家菜園では、購入した種子をシーズン中に全部使い切れず余ってしまうことがよくあります。それらの中には、通信販売で求めた新品種や、やっと入手した地方野菜や珍しい種類など、来年も利用したいものなどもあるでしょう。


 


種子の寿命は種類によって異なり、タマネギのように1年たつとほとんど発芽しなくなるものから、ナスのように3~4年たっても発芽するものなど長短がありますが、いずれも放っておくと発芽率がどんどん悪くなってしまいます。


 


しかし、それらも好適な条件で貯蔵することによって発芽力を維持することができ、来年あるいは再来年までも使うことが可能になるのです。


 


種子の発芽力が落ちるのは、呼吸によって貯蔵養分が消耗したり、病原菌が増殖したりするためです。それを防ぐには乾燥条件(湿度30%以下程度)にすることが大切です。次に重要なのは低温に保つことです。


 


誰にでもできる手軽な貯蔵方法は、お茶やのりの筒状の空き缶を利用することです。あらかじめ袋ごと日光に当て、よく乾かした種子を、お菓子などの乾燥剤か、生石灰(固形)と一緒に缶の中に入れ、粘着テープで外気が入らないよう密封します。乾燥剤の量は少なくても種子と同量以上、または多めに入れた方が確実です。缶は冷暗所に保管してください。


 


このように貯蔵した種子は、使用する直前に缶から取り出すことが大切です。取り出して放置すると発芽力が低下してしまうからです。ほかの種子が残っていればすぐに再密封しておきましょう。


 


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余った種子の上手な貯蔵法

根深ネギの土寄せ軟白のポイント

夏の暑いさなかに苗を植えつけた根深ネギは、生育の好適温の下でどんどん育ってきました。この時期には肥料を十分に効かせて生育を促すとともに、伸び上がってくる葉鞘部(白根になる部分)を完全に土寄せし、長い軟白部に仕上げることが大切です。そのためには土寄せの時期と作業を適切に行う必要があります。


 


これまでの生育前半期の管理としては、溝の肩の部分に追肥し、それを土に混ぜるようにして溝の中に土を落とし込み、次に溝を埋めてしまう方法で行ってきましたが、これからは畝(うね)の通路の部分に肥料をばらまき、それを耕し込みながら、葉鞘部に土を寄せます。その程度は、緑葉のつけ根ぐらいまでとします。


 


そして最終の土寄せの完成は、収穫の目標日を決めて、そこからさかのぼって約40日前に行うようにしましょう。冬の低温期には、葉鞘部の緑色が失せて十分軟白するまでに40日ぐらいを要するからです。年末に収穫するなら11月の15~20日ということです。


 


このとき、図のように葉の緑の部分が7~8cm隠れるほど十分な量を、緑葉のすき間にきっちり入れるように、丁寧に寄せ上げます。指先ですき間に土を入れ込むようにすれば最良です。火山灰土の軽い土の畑では、乾いた状態だと作業がしにくく、細粒が葉の間に入り込んだりしやすいので、一雨降ったあとで作業ができればいいでしょう。


 


長い軟白部に仕上げたネギは、収穫のとき白根の最下部が出るほど十分に土を掘り下げて、折らないよう丁寧に抜き取りましょう。


 


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根深ネギの土寄せ軟白のポイント

フキの植えつけと上手な管理

山野に自生するフキは、極めて数少ない日本原産の野菜です。家の庭先や木陰、畑の片隅などに植えておけば、あまり手を掛けなくても毎年取り続けられるので大変便利です。通常は葉柄を食べますが、早春に取れるフキノトウの、苦味のある独特な味も格別です。


 


植えつけの適期は、暑さが遠のき始めた8月下旬から9月にかけてです。すでに栽培されているところや自生地から根株を掘り上げてきて、しっかり充実した地下茎を3~4節(長さ10~15cmぐらい)に切り分け、これを種根とします。根株がなければ、園芸店などで少数ずつ袋詰めされたものが、シーズンに入れば売り出されます。


 


植えつけ場所には早めに石灰を全面にばらまき、よく耕し込んでおきます。そして50~60cm間隔にくわ幅の溝を掘り、元肥に堆肥(たいひ)と油かすを施したあと、土を戻し、25~30cm間隔に、横向きに種根を並べ置いて、3~4cm覆土します。その上に防乾、防暑のために稲わらまたは乾草などを覆っておきます。


 


茎葉が伸びてきたら、春から秋の間に3~4回ほど、少量の油かすを株の周りにばらまいて追肥をします。細根が浅いところに張っているので、肥料は根やけを起こさせないものを適量与えることが大切です。


 


夏の強い日差しを嫌うので、木陰など半日陰に植えるのがベターですが、日当たりの良い場所では遮光資材を用いたり、丈の長い作物を2~3列置きに植えるなど、陰を作る工夫をしてみましょう。


 


一度植えたら4~5年以上もそのままで収穫し続けられますが、良質品を得るには2~3年で植え替えすることをおすすめします。


 


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フキの植えつけと上手な管理

彩り豊かなミックスレタスを楽しむ

 レタスには結球する玉レタス、サラダ菜などの半結球レタス、結球しないリーフレタスの代表的な三種があります。そのほかにもかきレタス、茎レタスなど風変わりなものがあり、またそれぞれに数多くの品種があって育て方もさまざまです。


 


 今回のおすすめは、一番育てやすいリーフレタスの中で、彩りがきれいで見て楽しく、食べておいしいガーデンレタスと呼ばれるグループの品種です。それも一つではなく、5品種を混合して売り出されている「ガーデンレタス・ミックス」です。細葉で切れ込みの大きいオーク種、葉の縁がフリル状に縮れるフリンジー種が入っているのですが、それぞれ緑色、赤色に濃緑色・長卵形の葉形の品種の種子が混合されて袋詰めされているのです。


 


 8月上旬ごろから秋まで、あるいは3~6月までと、まきどきの幅は広くなっています。発芽や生育も良いので、育苗箱に7~8cmの条間で筋まきにし、2~3cm間隔に間引き、本葉3~4枚の苗に仕上げ、プランターや畑に12×12cmぐらいに植えつけます。


 


 種まきのとき、種子の形、色の違うものをよく混合してまきつけること、覆土はごく薄くしてまき終えたら板切れなどで鎮圧すること、間引くときに葉形・色をそろえず混合状態にしておくこと――などが育て方のポイントです。


 


 直売所向けに、浅形の径15~18cmのプラ鉢に、各色をバランス良く植えたものを作るのもおすすめです。鉢のまま身近な所に置いて色・形を楽しみ、大きくなった葉から順次収穫すれば、取れたてで鮮度の良いサラダ材料として重宝します。


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彩り豊かなミックスレタスを楽しむ

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