農業に関わること

家庭菜園

みなさんも家庭菜園に挑戦してみませんか?

食と健康への関心の高まりから、近年にわかに家庭菜園が流行しています。

季節ごとの野菜を育てる楽しさはちょっとしたコツでぐんと広がります。

ハクサイ 病害虫の予防を万全に

ハクサイの原産地は中国。日本に本格的に導入されたのは明治初年と意外にも新しい野菜です。生育適温は15~20度の冷涼な気候で、寒さに強い冬の代表野菜です。
8月中旬~9月上旬にまき、早生種で種まき後60~70日、中生種で80~100日で収穫できます。
[品種]漬物、鍋物用には大型の品種が主流ですが、小型品種もあります。年内取りは、早生品種の「晴黄65」(タキイ種苗)など、中生品種では、黄芯系の「黄ごころ85」(タキイ種苗)、「黄将」(カネコ種苗)など、また、重さ600gくらいの「娃々菜」(トキタ種苗)、「タイニーシュシュ」(サカタのタネ)などがあります。
[苗作り]連結ポットなどに3~4粒まき、途中、間引きをして1株にし、本葉4~5枚の苗に仕上げます。ネットでトンネル状に覆うなどして、虫の侵入を防ぎます。
[畑の準備]植え付け2週間前までに1平方m当たり苦土石灰100gを散布し、土とよく混ぜておきます。1週間前までに畝幅70~80cm、深さ20cmの溝を掘り、溝1mにつき化成肥料(N-P-K=10-10-10%)100gと堆肥1kgを入れ、土とよく混ぜて畝を作ります。ウイルス病を媒介するアブラムシの飛来を防ぐには、白や銀色の反射性マルチフィルムを使うと効果的です。
[植え付け]植え穴は50~60cm間隔に掘り、畑が乾いていたら穴に水やりをしておきます。植え付けの深さは、子葉の下までの深さになるようにし、株元の土を手でしっかり押さえます。
[追肥]本葉10枚のころ畝の肩に化成肥料を1株10gくらいまいて、株元に土寄せします。2回目はその20日後に通路にまき土寄せします。
[病害虫の防除]ヨトウムシ、コナガ、アブラムシなどが多いので、オルトラン水和剤などで駆除します。病気の予防には、管理のときに葉を傷めないことですが、軟腐病では発病株を早めに除去し、広がりを防ぎます。
[収穫]結球の頭を押さえて、葉に緩みがなく、しっかりしたら収穫時期です。

※関東南部以西の平たん地を基準に記事を作成しています。

園芸研究家●成松次郎
ハクサイ 病害虫の予防を万全に

夏に強いスタミナ野菜 モロヘイヤ

 モロヘイヤは、暑いほど生育が旺盛な野菜。別名「シマツナソ」「タイワンツナソ」とも呼ばれるアオイ科の1年生植物で、主にエジプトを中心に北アフリカ、中近東で栽培されています。古代エジプトの王が病気になり、医師がモロヘイヤスープを飲ませるとたちまち全快したことから、「王様の野菜」と呼ばれていたそうです。カルシウム、β-カロテン、ビタミンBなどが豊富な野菜です。葉を刻むと粘りが出ます。ただし、子実には有毒物質を含むため、さやの付いた茎葉は食べてはいけません。


[品種]日本に導入されている品種は同系統と思われ、品種分化は見られません。「モロヘイヤ」として販売されています。


[栽培期間]じかまきでは、5月下旬から6月中旬に種まきし、収穫最盛期は7~9月です。


[畑の準備]畑に1平方m当たり苦土石灰100gを散布し、種まきの1週間前には化成肥料(N-P-K=10-10-10%)100gと堆肥1kgを施し、幅90cmの栽培床(ベッド)を作ります。


[種まき]発芽の適温は30度程度と高温のため、早まきしないこと。準備した栽培床に2条、条間50cm、株間30cmとして、1カ所4~5粒の点まきにします。なお、セルトレイで苗を作り、本葉4~5枚の苗を植え付けても良いでしょう。


[管理]間引きは2回に分けて行い、本葉4~5枚までに1本にします。草丈が60~70cmのとき、地面から40~50cmの高さで摘芯します。追肥は2~3週間置きに1平方m当たり化成肥料50g程度を施用します。茎が赤みを帯びてきたら肥料の不足です。また、十分に灌水(かんすい)すれば、柔らかい葉が収穫できます。


[収穫]収穫方法は、側枝に2~3節を残して、20cmくらいの先端葉を切り取ります。盛夏には2週間置きに収穫できます。なお、花は9月ごろから開花し、10月には結実(さや)します。


 


園芸研究家●成松次郎


※関東南部以西の平たん地を基準に記事を作成しています。

夏に強いスタミナ野菜 モロヘイヤ

取れたてが甘くておいしいスイートコーン

園芸研究家●成松次郎


 


 スイートコーンは温暖で強い日光を好む強健な野菜です。雄花が雌花より先に咲き受粉のタイミングがずれやすいため、集団で育てることが実入りを充実させるポイントです。


[品種]「みわくのコーンゴールドラッシュ」(サカタのタネ)、「おひさまコーン」(タキイ種苗)やバイカラーと呼ばれ黄色と白色が混じっている「ゆめのコーン」(サカタのタネ)などがあります。


[栽培時期]遅霜の心配のない4月下旬~5月中旬が種まき期で、寒冷地では5月中旬~6月中旬です。


[土作り]畑1平方m当たり苦土石灰100gをあらかじめ散布しておきます。次に、畝幅8090cmを取り、深さ20cm程度の溝を切ります。この溝1m当たり化成肥料(N-P-K10-10-10%)150gと堆肥1kgを施し、土とよく混ぜておきます。2条まきでは、幅90100cmのベッドを作り、1平方m当たり化成肥料200gと堆肥2kgとを全面に施し、土とよく混ぜておきます。そして、ベッドを平らにならした後、早まきではポリマルチをします(図土作り)。


[種まき]株間30cm程度1カ所34粒の点まきします。ハトに食べられないように、寒冷しゃや不織布のべた掛けをしましょう。なお、12株の栽培や1列だけでは、花粉が不足しやすいので10株以上、または2列以上の集団で栽培してください。


[管理]草丈1015cmで間引く苗を切り取り、1本立てにします。追肥は草丈5060cmの頃、畝1m当たり化成肥料50gを列の片側に与え(ベッドでは1平方m当たり100gをベッドの両側)、株元へ土寄せします(図 追肥・土寄せ)。そして、上の雌穂を残し、下に付く穂を全て除き、11穂にすれば大きい穂になります。なお、脇芽は特に取り除く必要はありません(図 雌穂のかき取り)。


[病害虫防除]雄花がつき始めたころにアワノメイガが葉裏に産卵し、大きくなった幼虫は雄穂や雌穂(子実)に食入します。茎や子実に入り込んだ幼虫を防除するのは困難なので、雄穂が伸びだす頃に殺虫剤を散布します。


[収穫]絹糸が出てから3週間ほどたち、絹糸が褐変して先端の子実が乳白色に着色した頃です。早朝に収穫し、収穫後は急速に甘味が減少するため、早めに冷蔵庫に入れましょう。もちろん、すぐにゆで上げて食べるのが一番です。


 


 


※関東南部以西の平たん地を基準に記事を作成しています。


 


成松次郎(なりまつじろう)


神奈川県農業技術センター等で野菜の研究と技術指導に従事後、(一社)日本施設園芸協会で施設園芸及び加工・業務用野菜の生産・流通振興に携わる。現在、園芸研究家。

取れたてが甘くておいしいスイートコーン

新鮮な味がたくさん取れるサヤエンドウ

 栽培管理が楽で失敗も少ないサヤエンドウ。店頭では得られない新鮮さが魅力。家庭菜園にはぜひ取り入れたい野菜です。


 カロテン含有量が多く、分類は緑黄色野菜。ビタミンC、食物繊維も豊富。使い道はサラダや汁の実、煮物にと広く、飽きずに重宝します。


 育て方のポイントを列挙すると次の通りです。


(1)連作畑を避ける


(2)まきどきを誤らない


(3)冬に株が風で振り回されるのを防ぐ


(4)伸び出したつるがよく絡み付くようしっかりした支柱を立てる


 サヤエンドウは野菜の中でも特に連作を嫌う性質があります。4~5年はエンドウを作ったことのない畑を選びます。


 種まきの適期は10月20日前後を目安とします。寒い地域で早まきすると、大きく育ってから厳しい寒さに遭うことになるため、寒害を受けやすくなります。種袋の説明と地域の慣行をよく調べて決めます。


 サヤエンドウは茎葉が柔らかく、越冬中に株が風に振り回され、茎が折れたり枯死したりしやすいので、草丈が15~20cmに伸びたら短い支柱を交差させて立て、株を固定したり、畝に沿って稲わらを半折りにし下方を土に埋め、簡易の風よけを作ったり、べた掛け資材で覆ったりして寒風から守ってやります。


 越冬後草丈が20~25cmぐらいになる頃には巻きひげも出るので早めに支柱を立て、これに絡ませるよう、つるを誘引してやりましょう。


 支柱材としては、細枝がたくさんつくササや、小枝がよく付いた木の枝が最適ですが、入手できない場合は木くいに横竹を渡し、所々に細わらをつるす方法、それらがなければ果菜用の支柱材を立て、横に3段ほどプラスチックひもを渡したり、キュウリの誘引ネット(網目15cm)を取り付けるなど、いろいろ工夫してみましょう。


 肥料分は多くは必要ないので、前作に野菜を育てた畑なら、越冬前に畝に沿って軽く溝を作り、1株当たり化成肥料大さじ2杯ぐらい、本支柱を立てた後に、畝の反対側に同量を施し、土を盛り上げて畝を形作る程度で足りるでしょう。


 


※関東南部以西の平たん地を基準に記事を作成しています。


板木技術士事務所●板木利隆

新鮮な味がたくさん取れるサヤエンドウ

形・色が多彩で楽しみ多いズッキーニ

板木技術士事務所●板木利隆


 


ズッキーニはカボチャの仲間の「ペポ種」の一つで、つるなしカボチャの別名もあります。他に日本種、西洋種があります。近年消費が急速に伸びて知名度も高まり、今やすっかりおなじみの野菜となりました。主にはキュウリほどの大きさで若取りします。ゴルフボール大のかわいい球形果の品種もあり、バリエーションが豊富です。


 


種まきの適期は3月下旬からですが、種子は早めに準備しておきましょう。


 


苗作りは普通のカボチャに準じて、3号のポリ鉢に2粒まきし、本葉出始めの頃間引いて1本立てとし、本葉3~4枚になった頃に畑に植え出します。元肥に堆肥、なたね油かす、化成肥料を施し、畝間130~150cm、株間70cmぐらいに植え付けます。


 


雌花は短縮した茎に多く付き、開花後の肥大は早いのが特徴です。長形種は20cmぐらいになったら遅れずに収穫しましょう。通常開花後3~6日くらいで収穫しましょう。


 


多湿を嫌うので、畑の排水を良くするために、図のように短い支柱を、つるを挟むように交差させて立て、固定しましょう。


 


主な品種としては、長形緑色果の「ダイナー」(タキイ種苗)、「グリーントスカ」(サカタのタネ)、黄色果の「オーラム」(タキイ種苗)、「ゴールドトスカ」(サカタのタネ)、卵形果の「グリーン・エッグ」「ゴールディー」「ブラック・エッグ」(神田育種農場)などがあります。


 


炒め物、揚げ物、煮物など、さまざまな調理に向くズッキーニ。収穫遅れで大果になり過ぎた場合は、バーベキューにするとおいしくいただけます。


 


 


※関東南部以西の平たん地を基準に記事を作成しています。

形・色が多彩で楽しみ多いズッキーニ

ジャガイモは良い種芋を準備して、適期植え付け

板木技術士事務所●板木利隆


 


 梅の花が咲き終わり、土のぬくもりが感じられる頃(関東南部以西なら3月上旬)になると、ジャガイモの植えどきです。あまり植え付けを急ぐと、地温不足のため芽が伸びてきません。また、植え遅れると、生育の後半期が高温になってしまい、芋の肥大の適温日数が足りず、後期には病害が多発して収穫が十分に上がりません。


 


 種芋を選ぶ上で重要なのは、ウイルス病やその他の病害虫に侵されていない、検査に合格した、種子用として市販されている物を選ぶことです。休眠から目覚め、程よく芽が伸び始めた物を準備しましょう。


 


 種芋の準備で大切なことは、大きい物は各片に芽が均等に付くように、縦に切り割り、1片を25~30gにしておきます。


 


 畑に植え付けるに当たっては、芋の切り口を下方に向けるように植え付けます。切って2~3日置き、断面を乾かして植えるのが良いともいわれていますが、良い種芋ならすぐに植えても差し支えないでしょう。


 


 ジャガイモの品種は、長年の代表品種の「男爵薯」「メークイン」などだけでなく、各種の用途に向く個性派の新しい品種がお目見えしてきました。例えば「キタアカリ」(粉質、煮上がりが早く、レンジ調理にも)、「キタムラサキ」(皮、果肉共に紫、煮崩れ少)、「インカのめざめ」(濃厚で独特な風味、煮物、チップ、フライ、レンジ調理にも)、アンデス赤(粉質、良食味でサラダに向く、βーカロテン含量多)、「十勝こがね」(煮物、フライ、加工調理にも、貯蔵性高い)などです。「花標津」「レッド ムーン」「ワセシロ」「ベニアカリ」「マチルダ」など、花色や花形を楽しめる品種もあります。


 


 これらの新しい品種の種芋は、出回り量が少ないので、早めにJAや種苗会社に手配しておく必要があります。


 


 ジャガイモは低温でもよく育ち、わずか3カ月余りで種芋の15倍も収穫できるので、早くから子芋をたくさん付けます。これらは早掘り(探り掘り)して、新鮮な春の味を十分楽しみましょう。


 


※関東南部以西の平たん地を基準に記事を作成しています。

ジャガイモは良い種芋を準備して、適期植え付け

春取り小カブのトンネル栽培

板木技術士事務所●板木利隆


 立春が過ぎ、日差しの強まりを感じ始める頃になると、今年の家庭菜園の仕事始めです。一番先に種まきできるお薦めの野菜は小カブです。
 トンネルで被覆し、保湿すれば4~5月に白肌できめ細かく肌触りの良い、おいしい小カブが楽しめます。
 種のまきどきは2月中旬です。寒い地域では気温差を考慮して種まきを遅らせましょう。
 種のまき方は、畑に1m幅のベッドを作り、全面に完熟堆肥と菜種油かす、化成肥料を均一になるようにばらまき、15cmほどの深さによく耕し込みます。そしてまき溝をくわ幅よりやや広め(17~18cmぐらい)に3列、溝底が平らになるよう丁寧に作り、溝の外にはみ出さないよう注意しながら、ジョウロでたっぷり灌水(かんすい)しておきます。発芽ぞろいまでトンネルは除覆しないので、このことを考えて十分に灌水してください。
 種まきはまき溝の中に種間隔が1・5~2cm離して満遍なくまき、その上に1cmぐらいの厚さに覆土します。トンネルの裾には土を掛けて密閉して発芽を促します。種まきしたらすぐ密閉してしまうので、発芽と初期生育に必要な量を十分灌水しましょう。
 発芽して本葉2~3枚に育ったら、トンネルの頂部に小穴を開けて換気し、さらに内部が日中30度を超すようになればトンネルの裾も開けて気温の上昇を防ぎます。
 育つにつれて株間が込み合わないよう間引きをし、灌水を適宜に行って乾き過ぎないよう注意してください。また、生育中は、葉の緑が淡くなりかけた頃に、溝の外側に化成肥料をばらまいて追肥します。
 球径が5cm内外に育ったら収穫開始です。途中で間引いた物も上手に利用しましょう。春の小カブは葉も柔らかですので、汁の実や漬物にしてもおいしくいただけます。
 トンネル換気、除覆すると、コナガ、アブラムシ、ヨトウムシの幼虫などが害するので、発生状態に注意し、初期に適応殺虫剤を散布して防ぎましょう。
 小カブはその後も次々に種をまいて栽培できます。


※関東南部以西の平たん地を基準に記事を作成しています。

春取り小カブのトンネル栽培

ニラは早めの株分けと更新

板木技術士事務所●板木利隆


 肉との料理の相性が良く、スタミナ料理などに親しまれるニラは、多年草で一度植えておけば、毎年、年に数回収穫できるので、家庭菜園に適した野菜といえましょう。しかし、いくら強いといっても2~3年取り続けると、株が密生気味となり、幅広で厚みのある良い葉が収穫できなくなってしまいます。そうなる前に早めに株分けし、更新するのが得策です。
 株分けに一番良い時期は、葉が枯れ根株が休眠状態に入っている冬の間です。この頃は根に栄養が十分蓄えられているので、断根や株の分割という荒療治をしても、傷みが少なく、作業がしやすいからです。
 株分けの方法は、まず地上に残っている枯れ葉を、5cmぐらいの高さで、鎌できれいに刈り取ります。そして株の周りにくわかスコップを大きく打ち込んで、根株を土から掘り起こします。根は強大で、密に広範に広がっているので、全てを一気に掘り取れないので、中途で縦に切断しても構いません。
 掘り上げたら土を振るい落とし、指先に大きく力を入れて大割りし、さらに小割りして、図のように2~3本ずつに分割します。これを2~3個まとめて、20~25cmの株間に植え付けます。
 植え溝は事前に、8~10cmぐらいに深めに掘り、元肥として堆肥や油かす、緩効性の化成肥料などを十分に施しておきます。植える際には、根株を束ねないで、平置きにするよう心掛けましょう。
 溝は深めに掘って植えた根株を換気や乾燥からも守ってやります。覆土は株の上部がやや出るくらいにとどめておき、やがて新葉が伸びだしてきたら、葉先を埋めないよう注意しながら、2回ほど覆土をして、溝が埋まるように管理します。
 そうすると春には見違えるほどに、勢いの良い、良質なニラになります。
 株が増えてきたら銀色のフィルムを畝上に二重掛けし、さらに黒色フィルムで覆い、黄ニラに育ててみるのも楽しみです。なお、販売用の高品質な物は、毎年種まきして育てた苗を植えて、年間随時販売する物で、通常古株は利用しません。


※関東南部以西の平たん地を基準に記事を作成しています。

ニラは早めの株分けと更新

冬の手入れが翌年の出来を決めるアスパラガス

板木技術士事務所●板木利隆


 アスパラガスは野菜の中では長命で、一度植えれば数年は収穫が楽しめます。毎年良い収穫物を得るには、冬の適切な手入れが大切です。
 若芽の収穫を一定日数で打ち切り、芽を伸ばしたままにすると、葉が開いて丈が伸び、葉の光合成作用が旺盛に行われ、秋になると同化養分が根に蓄えられ、11~12月には株全体が休眠に入ります。霜が3~4回降りると葉の黄化が進み、休眠はいっそう深まってきます。
 ここから先の手入れで大事なことは、葉が完全に黄変し、休眠が深まっている頃を見計らって、地際から5~6cm上のところで葉を刈り取ります。この枯れ葉には茎枯れ病などの病原菌が付いているので、落ちた枯れ葉と共に畑の外に持ち出し、焼却または廃棄します。この処置が不十分だと、病原菌が茎葉の中で越冬し、翌年の発生源になるからです。できるだけ丁寧にかき集めて処分することが肝心です。
 これら病害が発生すると、数年たった大株でも枯死し、大減収になってしまいます。
 茎葉をきれいに片付けたなら、まず株元に多くの土寄せをしていた場合には、土を畝間に戻します。土寄せが少なかった場合には、そのまま畝間の通路部分を中耕しながら、畝の両側に深めの施肥溝を作り、その中に粗大堆肥(発酵度は中程度)と油かす、緩効性の化成肥料を施し、アスパラガスの根株を深く埋めるようにし、畝上に土を大きく上げておきます。こうすることで根株を冬の寒気から守ることができます。寒さが厳しい地域ほど土を大きく盛り上げることが大切です。
 こうして越冬後の3月ころ、芽の萌芽(ほうが)に支障のない程度に土を取り除き(寄せ土戻し)、畝間に土を落とします。このとき春の追肥として、化成肥料や有機配合の肥料などを、1株当たり各大さじ3杯程度を目安に与えておきます。再三土を動かすことにより、地面付近に落ちていた雑草の種子の発芽を抑えられ、翌年の除草の手間が省けます。
 栽培年数が長くなり、株元の根系が過密になり、株全体が浮き上がるようになったら、冬の休眠中に株全体を掘り上げ、分割して他の畑に、株間を広げて植え替えることで、再び勢いは回復するでしょう。


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冬の手入れが翌年の出来を決めるアスパラガス

サトイモの収穫と上手な貯蔵のコツ

板木技術士事務所●板木利隆


 サトイモの主成分はでんぷん類、このでんぷんは加熱すると糊化し、消化吸収しやすくなります。カリウムは芋類の中では最も多く、高血圧予防に効果的です。
 タンパク質、ビタミンB群、Cなどを多く含み、栄養価が高いのが特徴、しかも食物繊維も豊富で水分に富み、意外に低カロリー、体重が気になる方にもお勧めです。
 秋になって盛んに育ち、芋が肥大したサトイモは、晩秋に入ると育ちが止まり、収穫期を迎えます。
 収穫適期の目安は、葉の緑が黄化し始め、葉が少し垂れ気味になった頃です。サトイモは寒さに弱く、1~2回霜を受けただけで葉は容易に枯れてしまいますが、この頃が収穫の限界です。掘り遅れると品質を損ねるだけでなく、貯蔵した場合の故障芋が多くなってしまいます。
 収穫するに先立って、図のようにあらかじめ葉身を地上5~6cmの高さで、鎌で刈り取っておきます。芋や根は強大に太っているので、株の側方に大きくくわを打ち込んで、子芋や孫芋を外さないよう注意して、株全体を丁寧に掘り上げます。
 すぐに利用する場合は、その場で全ての子芋、孫芋、ひ孫芋を親芋から取り外します。多数の株を効率よく取り外すには、外側の外れやすい子芋を取り除き、残った株を手で持ち上げて、大きなビール瓶などで横から強く打つと、案外傷つかずによく外れ落ちます。
 貯蔵する場合には、子芋、孫芋などを外さないよう、特に注意して取り扱いましょう。外れてしまうとその傷口から傷み始めるので、貯蔵中の故障株が多くなります。
 貯蔵する場所は排水の良い畑を選んで、幅40~50cm、深さ60cmぐらいの貯蔵穴を設けます。そして掘り起こした株を丁寧に運び、地上部の切り口を下方に向けて丁寧に積み重ね詰め込みます。反対に詰めると子芋が離れやすく、傷口から腐敗する芋が多くなります。
 貯蔵穴を全部詰め終わったならその上に麦わら、稲わら(カヤが得られれば最高)などで覆い、5~6cm覆土しておきます。さらに厳寒期に入った頃に10~15cmの覆土を追加して寒さから守ります。


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